足裏反射区は根拠のないでたらめ!!
前回、「「足は第二の心臓」のウソ」というタイトルで、「足は第二の心臓」説のいかがわしさについて書きましたが、「足」について言えば、もう一つ怪しげな「説」が盛んに吹聴されています。
『全身の重要なツボが足に集まっている』というフレーズでしたら、恐らくこの国の人なら誰でも一度ならず耳にしたことはあると思います。
この説の根幹を成すのが『足裏反射区』というものです。でも、これについての科学的根拠は何ら存在しません。
ただひたすら、『足裏反射区』なる図表を使った情報だけが垂れ流されているのが現実です。
両足を合わせて足の裏をみると、あたかも人間が座っている姿に見えるので、これは身体全体の縮図だと説明します。
足の裏には重要なツボがたくさんあって、それらのツボは体全体とつながっている。だから、それらを刺激することで全身を治療できるというのです。
右足が右半身、左足が左半身、両足を合わせた内側は背骨、親指が頭、他の4本の指が肩、親指の付け根は首、土踏まずは内臓……
子供だましのこの幼稚な理論?には呆れ返ってものが言えません。
この『足裏反射区』なるものを吹聴して商売をしているのが、「足裏マッサージ」、「足ツボマッサージ」、「リフレクソロジー」などのお店です。
足が疲れた時に足をマッサージする、これならわかります。しかし、それ以外、ことさら足を治療の対象にする意味はありません。
それらのお店に行くと、施術者は足のどこか一箇所を力任せにグリグリと押します。お客が「痛い」と言うと、待ってましたとばかりに「ここは胃のツボなんです。胃がわるいですね」などと応じるのです。
試しにご自分の足の裏を親指の先で強く押してみればわかりますが、どこを押しても痛いはずです。
そんなもの、ツボでも何でもありません。
足の裏に重要なツボが集まっているというのは、真っ赤なウソ。
足裏マッサージのスタッフは殆どすべて免許を持たない素人。
その素人に施術させても事故の心配の殆どない安全な場所が「足裏」なのです。
足の裏こそが体の中で最も頑丈で、しかも着衣のまま手軽に施術できる都合のよい場所というわけです。
何と言うことはない、その足裏に特別の地位を与えるために作られたのが『足裏反射区』だったのです。
前回、「足は第二の心臓」のウソの中でも書きましたが、不慮の事故で足を失っても人は健康に生きられます。
つまり、足は第二の心臓などではないのです。それと同様、足裏に全身の重要なツボがあるわけではありません。
足の切断を余儀なくされた方が、足ツボがないため内臓の治療ができないわけではないのです。
足は足以上のものでも、足以下のものでもありません。
ついでに言えば、頭、肩、背中、内臓などを治療するのに、なぜ遠く離れた足裏を刺激する必要があるのでしょうか。
もどかしいこと、また遠回しすぎて効果がないことをたとえて、「二階から目薬」と言いますが、まさに『足裏反射区』こそ「二階から目薬」の最たるものです。
体に悪い所がある場合、通常、直接そこを治療するのが最も効果があります。
肩が痛ければ肩を、首が痛ければ首を、腰が痛ければ腰を治療するほうがよいにきまってます。
当院では、例えば腰が痛いという患者さんが来られたら、まず、いつどんな状況で痛めたか、どんなときに最も痛むか、また既に検査を受けていたら結果などもお聴きします。
その後、痛いとおっしゃる箇所の周囲を触診し、異常がみられる部分に適切な刺激で鍼をいたします。
当院では『足裏反射区』とか『耳ツボ』のような得体の知れないものは一切使いません。
くれぐれも、怪しげな「治療もどき」の商業主義に騙されないようお気をつけください。